2006年8月号 ロード日記 with ジェイムス・コットン

 いよいよ夏に突入、ツアー・モード全開なのだ。今回は、ブルース・ハーモニカの巨匠、ジェイムス・コットンとのロード日記をいってみるよ。

 6/1 シカゴから約6時間、アイオワの州都デモインズに夕方5時ごろ到着。川辺のユニオン公園のステージに8時過ぎに上がった。スーパーハープのニックネ−ムで知られるブルース界の大物ジェイムス・コットンのバンドに呼ばれて2週間。彼との2回目のショウだ。今回のツアーにはレギュラーのマーク(Ds)とチャールズ(B)のマック兄弟に加えてダリル・ニューリッシュ(Vo)、デイヴ・マックスウェル(P)らベテランも加わったんだ。オープニングでは、ファンキーとトラディショナルがミックスしたバラエティに富んだサウンドを醸し出す。4曲目からいよいよジェイムスが登場だ。小生はひたすら彼のプレーに耳を済ませて、適したリズムプレーをすることに専心。特に早いテンポのシャッフルではリズムをどんどんプッシュするコード・プレーを。そのへんは、ちゃんと予習に余念のない新米メンバーの小生なのであった(自分で言うなって?)。さらにソロの場面では前に出て、強いプレーを心がける。約1時間半のショウはかなりの盛り上がりのうちに終了。特に大きなミスもなく、その場でクビになるという事態は回避したようだ。“I like your playing,man”なんて言葉もいただいて、楽屋でジェイムスと少し談話もしたよ。ジェイムスはなんとギターを6本持っているそうだ。ジョン・リー・フッカーのブギー・チレンが得意らしい。いつかギターでジャムってみたいもんだ。小生はスライドをもっとプレーしようと思っていると伝えたら、ニコっとしていたね。

 6/3 前日は終日車での移動。この日はさらに2時間ほどのドライブでユーリカ・スプリングスへ到着した。まったくアメリカは広い。エアコンの利かないバンに揺られてのロードでは特に実感するよな。ここはアーカンソー州きってのリゾート地で、全米から観光客が集まり、特にバイカーにとってはメッカのような町らしい。ブルースフェスがこの週末に行われ、なんと市内の7つのクラブにバンドがはいり、さらにオーデトリアムではサニー・ランドレスや、クリス・デュアーテらメジャーなミュージシャン達もライブをやっていたね。我々のショウは10時半から。演奏も少しずつこなれてきて、ジェイムスの調子もよさそうだ。バンド全体のノリにもずいぶん慣れてきた。東京公演に向けていい助走ができた。ステージの後すぐにホテルを経ち一路セントルイスへ向かう。6時間のドライブで空港に到着。ユナイテッド便で一旦シカゴに飛び、さらに国際線に乗り換えて東京へ。東京に着いたのは、翌日夕方の4時過ぎだった。

 6/6 目が覚めたのは朝6時。3時間しか眠れなかったよ。まったく初日の時差ぼけは年々ひどくなっていくような気がする。20数時間乗りっぱなしで、さすがに腰が痛え。午前中はノンビリ過ごして、昼過ぎに会場の丸の内にあるCOTTON CLUB JAPANへ。昨年11月にできたばかりの高級感漂うおしゃれな店だ。開演は7時。初日にしてはなかなかの入りか。最初は少し全体のサウンドが硬いような気もしたけれど、時間とともにほぐれていく。2セット目はかなりの盛り上がりを見せたね。アンコールでジェイムスのシグニチャーとも言えるロケット88をやると店内はスタンディングで最高潮に。齢71歳にして衰えを知らないジェイムスのパワーはまさにスーパーハープだね。スライドでジェイムスに食らいつくと、彼が同じフレーズで合わせてきた。これは面白いツアーになりそうだと予感が走る。

 6/10 COTTON CLUBでの最終日。前日まで4日間計8ステージをこなし、ジェイムスとのインター・プレイにもずいぶん慣れてきたね。考えてみれば、バンドの中で、ここまで自由な空間を与えられたのは初めての事かもしれない。こうして10日間に渡ってジェイムスと一緒にプレーしてきて、彼のプレイの強さ、深さを改めて感じたよ。このハープにしっかり太刀打ちできるギターを弾くのは並大抵のことじゃない。ギターの音色、プレーにさらに強さが出るようこれからさらに取り組んでいこうと実感した小生なのだ。ハーモニカの石川二三夫さんが飛び入りで吹いてくれたし、ベースの鮫島秀樹さん、評論家/プロデューサーのマイク越谷さんなど各界の著名人のみなさんも来てくださった。もちろん熱いファンのみなさんも多く駆けつけてくれたのだ。この場をかりてお礼を。ありがとう!この夏は、ジェイムスとココの2つのバンドを掛け持ちでプレーすることになる。ますます熱い夏になりそうだ。ということで、みんなまた来月。See y' all.